模擬試験とGD

土曜日に国家一種公務員の模試を受け、日曜日に某外資系企業で初めてのグループディスカッション(通称GD)をした。模試の結果はさて置き、面白かったのは断然GD、これである。


形式はシンプルである。6人程度の学生が机を寄せて30分ほど議論をする。時間内に一定の結論を出し、傍で監視している人事のおっさん(お姉さんの場合もある、個人的にはこちらの方が嬉しい)の前で1分程度のプレゼンをすると言う流れだ。テーマは様々だが、今回与えられたのはこんな感じだった。

「昨今の少子化時代において、大学経営者が採用すべき方策を考えてください。但し一つ条件があります。

(A)大学のブランド力 (B)就職率 (C)新規ビジネス (D)学費 (E)立地条件 (F)部活動の充実 (G)授業内容の充実
これら7つの要素を時間・コスト・パフォーマンスの観点から検討し優先順位を付け、上位4つについて中身を具体化させて下さい(大意)。」


ディスカッションの内容もさることながら、自分はむしろ議論の場に興味を持った。何が面白いか? それは「参加者の素が垣間見える」ということに尽きる。選考がかかったやや追い込まれた(しかもそれを誰かが見ている)状況でヒトがどう変化するか、火を見るより明らかだろう。一見おとなしそうに見える人が先手を奪われまいと積極的に仕掛けると見せかけて、結局付和雷同する側に回ったり、日頃「有無を言わせない人」と思われる人がやっぱり強引であったり、とか。素と呼ぶか自我と呼ぶか無意識と呼ぶか、それは人の勝手ではあるけれど。自分はと言うと…いつにもまして勝気だったが、他の人たちには及ばなかった。


個人的にツボだったのは、開始30秒の主導権争いだった。人事部長と思われる人間が「さぁ始めてください」と発言した瞬間、自分と、自分の左隣にいた女性を除く4人が一斉にしゃべり始めた。さすがは外資である。まるで日曜日の討論番組のようであった。「おぅおぅ、威勢が良いのは歓迎すべきだが、うかうかしてると埋没してしまう。さてどうしようか、困ったものである」などと漫然と考えていたら、暫くした後に、一人の男が他を圧する声量と冗長さと頑固さを兼ね備えていることが判明した。
場を仕切る権利は彼が獲得した。「しゃべりだすと止まらない」性格は、攻撃力の高い一つの武器なのである。



一方で課題も見つかった。人間の話を大きく3つ、すなわち「スジの良い意見」と「スジの悪い意見」と「おしゃべり」に分けたときに、後の二つに誰がどう対処するのか、そして自分がどうでも良い事を言ってしまった後にどう取り繕うか、という超どうでもいい問題。普段ならば「たーしかにー」等と言っていれば済ませられるのだが、30分の間にそんな悠長なセリフを吐いている暇は無い(たぶん)。

例えば学費の問題で、「うちの大学の学費高いんだよねー」と延々発言し続けるのはおしゃべりであり、「取りあえず学費上げとけばもうかるんじゃね??」と言うのはスジの悪い意見である、と思う。己を主張しようと焦る余り、普段なら「それはねーよ」などと一蹴できるような内容の発言を、ヒトは得てして行うものである。いなすのも良いが、見ず知らずの人間が数人集まった中で、場の空気を乱したり白けさせたりするのは悪いし。。。なーんて考えていたらディスカッション自体が終ってしまった。



まぁ取りあえずお前頑張れよ的な日記になった。結果が早く知りたい。