企業・官庁説明会の陳腐さと効用について

タイトルが無駄に長いがほとんど意味はない。



自分も遅ればせながら「公務員試験勉強」とやらに参戦してみた。今まで学部の勉強を好きなようにちんたらやっていたため、どうも思うように行かない。判例なんてあんまし覚えてないし、正直フラストレーションが溜まる。細かい条文の知識を問う問題も同様。やっぱ俺向いてないのかな、とか、でも国家公務員の仕事は魅力的だし、択一問題なんて所詮はクイズなんだから割り切ってやれば良いじゃん、とか、ごちゃごちゃ悩むこともしばしばだったりする。ちなみに「魅力的」と言う言葉に皮肉な意味はひとかけらも込められていない。「政治システム」という、ヒトモノカネを絶えず取り込んで収縮・膨脹する怪物の一部になるのは、とても愉快なことだと思うのだ。

あと、大学3年生の特権を享受しよう、ということで企業や官庁の説明会にもいくつか参加してみた。どの社員(あるいは官僚)も自らの仕事を魅力的に語るので迷う。何に向いてるかなんて分かるわけがないから取り合えず数社にエントリして声がかかるのを待つしかないと頭では考えているのに、尚も絞り込もうとして迷う、と言うか。

個人的には、D銀行(グローバルマーケッツ部門)のトレーダーの話が最も優れていたように思った。金融商品の豊富な知識、あるいは世界の経済、政治情勢に関する精度の高い情報を生かしてファンドマネージャと信頼関係を築き、バスケット取引を引き受ける。マネージャは損失発生リスクを転嫁することが出来、トレーダーは自らのテクニック次第で資本を増やすことが出来る。ひいては所属企業の東京市場でのプレゼンスが高まり、さらに風呂敷を広げるなら、東京市場「自体」の活性化にも資するかもしれない。と言うことらしい。


へー、そうですか。すごいですね。カタカナ多いし。

とりあえず皆が十分に合理的であれば、関係者の誰も損をしない魔法のメカニズムではなかろうか(実際にはそんなに甘くないことは当たり前だろうけれど)。


業務説明に来た官僚たちも、「この人たちすごい」と素直に思える人が多かった。何だろう、妙に説得力のあるしゃべり方をするのだ。やや傲慢な語り口がちらほら見られたのも予想の範囲内だった。自分たちは少なくとも個別の政策のプロである、と言う自負心をどの講演者からも感じ取ることが出来た。「私達が議論のたたき台を作り、決めるのは政治家の方々です」みたいな。財務省主計局・主税局の人間はむしろ例外である。彼らは端的に「政治的動物」と言ったところか。


全く以て取り留めがないが、あんまし時間がないので気にしない。自分にも「頑張ろう俺」みたいなモチベが存在することに感動した1ヶ月だった。まだまだ人生は長い。