もやし

丸一ヶ月日記を書かずにぼんやりしていたらいつの間にか8月が終わってしまっていた。何とかしなければ…と思っていたわけではない。ただ単に全く書く気にならなかった。朝起きて、適当に勉強するか適当に遊んで、晩になったら寝る。それだけ。


ここ1週間、法学部とやらでは半年に一度のテストが行われている。全て終わるのは14日。つまり来週末。「水道料金が安いと思って喜んでいたら、実は市役所の職員がミスしていたらしく、後で未払い料金の支払いを求めて来られて風呂屋さんが困っています。さぁアナタはどう弁護する??」みたいな、変に具体的な事例問題(しかもやたらと問題文が長い)とか、あとなんかよく分かんない、どっちでも良い制度論が出題されたりする。


憲法なんかはもっと抽象的だ。「憲法43条に言う『代表』の意味について論評しなさい」など、おそらくまともに考えればデモクラシーの原理とその限界についての深い洞察につながる、「統治」の本質を突いた良い問題なのだけど、そんなこと1時間やそこらで考え付くわけも無く、適当に教科書の論旨をなぞるだけに終始してしまう。


とはいえ、卒業がかかる大事なイベントの一つであり、筆記試験適応力が妙に高い(とされる)法学部生といえども、舐めてかかると単位が来なかったりする。しくじるのは気が悪い。そこで小心な自分なんかは、7月後半辺りからちまちま試験勉強を開始し、やってるうちにいつの間にかそれが自己目的化してくる。9月に入ってからは特に。つまりその辺に転がっているガリ勉と大差無い、いやガリ勉の「強度」だけで言うと平均を上回っている可能性すらある。違いといえば、自分が徹夜で勉強しはじめ、コーヒーを湯水のごとく消費し、Slipknotを大音量で聞いてややトランス状態になっていることだろうか。おめでたいというかむしろ…まぁ気にする必要はない。利口な奴はたんと反省して見せるのがいいのだ。

「私は好んで強引な勉強と強引な生活法を自分に課した。勉強のあいまに街に出るときなど、私の血走った目に不審の眼差を何度か感じた。人目には世にも謹直な日々が重ねられているというのに、私は自堕落と放蕩と明日をも知らぬ生活と饐え切った怠惰との、むしばむような疲労について知るのであった。仮面の告白』」


相変わらず大袈裟だが、言いたい事は分からなくもない。人間適度にサボっている時が一番健康なのである。精神的にも、肉体的にも。疲れたけどまだ寝ない。