鷺沼

何事も無かったかのように鷺沼に帰ってきた。成人式は、「諸所の事情により、ほぼ100%の確率で知人すらいない」という理由で行かなかった。うーん書いてて寂しい。何だってこう、地道に過ごしてきたコミュニティから切り離されて、また新天地で地道に生きるというサイクルを繰り返さなければいけないのだろう。全くもって面倒である。成人式にも中学校の同窓会にも行かなかったという人がいれば、今すぐにでも膝を詰めて語り合いたい気分だ。


帰省中は、高校の友人と近況報告的な催しを開いたことと、寮の用事ではるばる神戸まで行って変なお祓いを受けてボウリングをした以外はほとんど家にこもり、ひたすら読書と地図鑑賞にいそしんでいたような気がする。「いそしむ」というかむしろ「むさぼる」と言ったほうが適切かもしれない。将来地図職人にでもなるつもりなのか、と自問自答を始めかねないほどの勢いだった。


それにしても、1:200,000の地図にくまなく描かれた一本一本の道路を凝視していると、次第にそれらが網状に自己増殖を始めたかのように錯覚するようになる。蜘蛛の巣でも眺めている気分。同じことが住宅地図にも言える。整然と区画整理された住宅地に埋め込まれた苗字の塊を見ると、その一つ一つの家に住み、生活を営む無数の人々の姿が妙に生々しく想像され、何となく数の子を眺めているような気分になる。プチプチとした食感と視覚がリンクするのだ。


…というかこんなことばかり書いててもしょうがないので、やめにしておく。ニュースを見て面白いトピックがあればまた書こうと思う。