アグレッシブネス

昨日、友人と珍しく食堂で淡々と勉強していると、ガラスで仕切られた壁の外が俄かにざわつき始めた。スノーボードサークル(ボーダーと言うらしい)の連中が、夕方からテラスで酒を飲んで大騒ぎしている。誰かはほとんど全裸になり、誰かは3人ぐらいで塊になってキスしている。新築なったばかりの木床には様々な飲み物がこぼれ、スナック菓子の空袋は風に乗って軽く宙を舞っていた。何だか薄ら寒い光景だった。
何でこんな事をしているのだろう、とちょっと不思議に思った。これ見よがしに騒ぐと言うことは、彼らは自己顕示欲が強いのだろうか。とすれば、2時間余りにわたって繰り広げられてきた、傍ら痛い醜態と椿事は、無料で楽しめる一種のエンタテインメント…である訳が無かった。ボーダーに関心を向けるものはほんのわずかで、やっているほうも勝手に飲んで勝手に潰れている感じだった。月並みな表現だけど、自分の中でなだめきれなくなった攻撃性が、内と外に向かって爆発し、剥き出しになっている様を見た気がした。

こうした非本来的な、攻撃的なエネルギーが、アイデンティティの形成や普段の行動に意外と大きく影響しているような気が最近する。矛先が自身に向かえば、自己嫌悪を繰り返す潔癖な反省的人間になる…かもしれない。何かしらの「モノ」に向かえば、目の前にある対象と格闘し、征服しようとする知的好奇心へと置き換わるだろう。まだ見ぬ「将来」に向かえば、それは自ら生計を立てようとする意思、出世欲へと転化する。他者に向かったときは…言うまでも無い。しかもそのエネルギーは、自己が形成される前から外在するものだから、抑えようとして出来るものでもない。


…何でこんな事を書く気になったのかよく分からないが、まぁいい。とりあえず来週の演習はしっかり頑張ろうと思った。スノッブにはなりたくない。