体育祭

突発的な理由で体育祭に行く事にした。片道1時間40分ほどかけて到着した後、事前に示し合わせていた高校時代の友人数人と合流して競技を観戦することになった。閉会式の後に遅い昼飯を食い、学校に戻って部活動の後輩と一緒に再び晩飯を食い、適当にしゃべって帰った。

僕らが現役の頃より元気だな、というのが観ていて一番の感想だった。過去と比較して現在を眺め、「時代は変わった」と愚痴をこぼしたり騒いだりする思考の感覚を、僕は爺さんくさいものとして毛嫌いしていたけれど、これはもうしょうがなかった。実際、高校3年生を中心にして、体育祭は熱く盛り上がっているように見えたし。
圧巻は応援合戦と騎馬戦だろうか。事前に応援団長が70人ほどの団員を前に檄を飛ばしているのを目にし、期待して観に行ったらやはり素晴らしかった。白地に黒で「一致団結」と書かれた巨大な旗を掲げる男を中心にして、大勢の男たちがQueenの"Don't stop me now"をBGMにして一糸乱れぬ機敏さで踊っている、どこかの組の応援が印象的だった。放課後に何度も集まって練習させられたのだろうか、多少屈託した表情を浮かべる団員もいて、それはそれで観ていて共感できるものがあった。高校の時、太鼓の代わりにゴミ箱の底を木の棒で叩いて応援していた、少し間抜けな記憶がかすかによみがえった。
騎馬戦もなかなか迫力があった。高校生全員が参加する競技で、4人一組で騎馬を作り、二つに分かれてぶつかり合う。騎馬の"乗り手"が落ちたら負けというシンプルなルールだ。それを組ごとに4回繰り返し、決着をつける。いつかの対戦では、70騎を超える騎馬がほとんど一つに凝集して小さな丘のようになり、まるで収拾がつかなくなっていた。土煙がもうもうと立ち上がり、その混沌の中で、普段は大人しい(と思われる)高校生が大声で互いを罵り合いながら乱闘している姿は、観ていて少しおそろしく、中原昌也の小説を一瞬思い出した。

他にも書きたいことはたくさんあったが、いまいちまとまらないのでまた今度書くことにする。ノスタルジアに浸った一日だった。