区切り?

昨日、テレビで電車男とか言う映画を見ていた。かつて見た時の印象とほとんど同じだったのには自分でも驚いた。


若者、特に若い男は、自らの経験を特権化して語る傾向があるとよく言われる。僕の場合もそうだ。あの日あの時、わざわざ新宿まで出向いて映画を観に行って、あれこれやらかしたことが、その後の僕の大学生活を規定する鍵になった、と勝手に関連付けている。その出来事自体は、どうということの無い、ありふれた茶番劇に過ぎなかったのだけれど。
映画の内容は、予想通りというべきか、とても素直なラブストーリーで好感が持てた。東海テレビ的な話のこじれ方を好むかどうかで、大人と子供に分けることが出来るとするならば、自分は明らかに子供に属すると思われる。それはそれで一向に構わないことなのだ。「オタク」にしばしば見られる、屈折した自尊心の持ち主として主人公を描いていないことも良かった。ややこしい話は電波男に語らせればよい。


話は全く変わるが、大学生活の区切りが最近刻一刻と近づいている気がする。サークルの執行は、9月30日をもって実質的に終わる。それに先立つ男子だけの合宿企画も無事終えることが出来た。そこそこの成績で法学部にも内定し、900番講堂とパンショップを嬉々として往復する生活が始まろうとしている(もっとも、駒場図書館に引きこもる時間の方が圧倒的に長いに決まっているが)。
大学一年半で、何かこれをやり遂げた、という達成感はない。仮にあったとしても、それはまた新しい飢餓と焦燥によって飲み込まれただろう。内に巣食う微細な蠅の王を御しきれる程、自分は老けてはいない。ただ、他者と否応無しに関わる環境の下で、多少自分の人生観が変わった様な気はする。それだけは確かだ。

何か収拾がつかないので、もう寝る。腹が減った。