夏合宿

夏合宿より帰る。思えば合宿中はずっと忙しかった。部屋でぼんやりとテレビを見ている暇も無く、しじゅう誰かに呼び出される。感謝されることもあれば、されないこともある。ともかくも、サークルとか言う得体の知れないヌエの様な集団を持続させる上で、自分が一定の役割を果たしているかもしれない、と考えて少しほっとした。
企画自体は、どれも無理のない、魅力的なものだったように思う。蓼科山を7合目以外から登り始めると、途中で必ずバテる人が出ただろう。美ヶ原、霧が峰は元々標高差が少ないため、ある程度歩程を稼いでも足への負担は重くはならないと読んだが、実際の感覚はどうだったのだろう。八ヶ岳は…まぁ良い。
少し憂鬱にさせたのは、自分が何人かの二女からどうもよく思われていない、という事だった。全員からではないだろうが、それでも気分の良いものではない。二女の評判が低いと、サークル全体からの評判が下がる(らしい)。 
理由ははっきりしている。これまでの個々の企画の日程、責任者、内容には大体絡んできたため、気に入らない事があれば文句は僕のほうに向かった。「私の意見が反映されてないじゃん、調子乗んなよお前」という感じだ。それにコンパでは馬鹿みたいに酒ばかり飲んでいるので場の空気を乱す、ということもある。その他色々あるのだろうが、僕には知る由も無い。
合宿の日程がすべて終わって寮に着いて、執行が始まってから起こった実に様々な出来事に思いを馳せ、全てひっくるめて独り力なく苦笑し、寝る。何かまた山に行きたくなってきた。3人くらいで。