黍殻・蛭・檜洞

思えばこの一週間は、凹んだり励まされたりの繰り返しだったような気がする。仕事場や寮の「決まりごと」をどうしても守れない事が自分でも腹立たしくてしょうがない。。まぁ愚痴はよそう。とかく「人間て奴は自分の痛い事ばかり話したがるもの」だからだ。…そういえば人の会話から自慢話と痛い話と他人の噂話を除けば、後にどんな物が残るのだろう。まぁいいけど。
それはそうと、一昨日から昨日にかけて丹沢山に行ってきた。初めての避難小屋泊、しかも久しぶりの単独行だ。夏の丹沢は、訪れる者が極端に少ない。お陰であらゆる動植物が勝手気ままに繁茂生殖している。登山客は、その異境に足を踏み入れる一人の闖入者に過ぎない。
要は丹沢に圧倒されたということだ。木の上からひっきりなしに蛭が降って来て気が付いたら背中が血でべっとりしてるし、ロウソク一本の避難小屋の壁には夥しい数の鼠が棲んでいるし、登山道の10メートル先では子熊と鹿が追いかけっこしてるし、樹林帯に入れば道全体が見た事も無いでっかい植物に覆われてるし…とにかく強烈だった。途中立ち寄った蛭ヶ岳山荘の管理人との会話も楽しかったし、なかなか充実した山行だった。今度は誰か誘って行こうと思う。