ひま

数学のテストを受け、飯を食った後渋谷(神谷町周辺)を徘徊していると、とある外国人に声をかけられる。
「……Yoyogi Park?」
「えっと…North,north.(中略)とりあえず付いて来て。」
全く警戒していなかったと言えば嘘になるが、悪い人ではなさそうだしまぁいいか、てなわけで近くのローソンで地図を広げ、代々木公園までの道のりを確認する。そんなに遠くはない。暇だったので一緒に行くことにした。
無言でNHK脇の道路を歩いていると向こうから話しかけてきた。
「Nice to meet you. My name is Dan. What's your name?」
「My name is(中略)What will you do in Yoyogi Park?」(合ってるのかこの英語)
そう聞くとその兄ちゃんはなにやら意気軒高に喋りだした。あんまし聞き取れなかったが当時の文脈から判断するに「俺はゴスペルをやってて6時から渋谷のどっかでミーティングがあるんだ。それまで時間があるから代々木公園でも行くか、て思って歩いてたら変なところに迷い込んじまったって訳だ」ぐらいのもんだろう。
そう理解した僕はやや拍子抜けする。かつて渋谷の深夜0時に外国人4人組から"Sangu-Bashi"への行き方を必死に聞かれた挙句、駅の切符売り場で彼らに代わって連絡会社線きっぷを買ってあげた時程の切迫感はなかった。
大学に戻って地味に読書する。一冊とても面白い本を見つけた。試験が終わったら腰を落ち着けてじっくり読もうと思う。