ヒッキー

夏合宿の下見から帰る。思えば下見ではいろんな事があった。七合目の一の鳥居付近で意識が朦朧となった事、仏岩の梯子を一段一段踏みしめる度に縦枠がたわんで不気味に共振していた事とか。
一日目の晩の、宿のおっさんとのタフな交渉も思い出に残る。結局は妥協というよりも一方的な譲歩に終わったのだったが。しかし僕はそういう偏屈な親父が嫌いではない。なぜなら僕もある意味で相当偏屈だからだ。晩飯食った後にオセロと将棋をする。どちらもかなり空気の読めない攻撃性を発揮していた。下見なのに。
コンパではいつも通り飲んだくれていた。持ち込んだ全てのポン酒が1時間ちょっとで空いたのには笑った。
他にもいろいろあったが省略。寮に帰ってからはずっと眠りこける。妙な虚脱感に襲われた。豆腐を生で食って寝る。