対岸の彼女

寄贈図書コーナーで発見。貪る様に読む。

「わたしナナコがいれば何でもできるような気がする」
女子男子を問わず、思春期特有の万能感は、精妙に抑圧された生活の中でやがて捨て鉢な勇気へと変化し、最後には現実からの手痛いしっぺ返しを食らう。…暗っ
もちろんこの本のテーマはそんなシニカルなものではない。生まれも価値観も違う二人の女性が交流(当然そこには摩擦もある)を深める中で、日々のルーチン化された生活になお残る生への渇望を形にしていく、そんな話だと僕は思った。
決して目新しい主題ではないが、妙に心に残る作品だった。単に疲れてたからかな?